喧嘩を売るなら慎重に
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| なんて言うんでしたっけ、えっと、鳥居? | |
| それなら前住んでいた家の近所にあったな。 | |
| 近所って……。これ全部イクサビト達が作ったのかしら。 | |
| あっキバガミが飯作ってる。 |
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| ちょ、ちょっと待って。どう受け止めればいいの?これ。 | |
| ウロビトの言い分ですけど、 |
・世界樹の恩恵を受けつつ平和な世界があった
・ウロビトは世界樹の世話のために人間に作られた種族の一つ
・巨人が現れた際に人間は巨人から逃げ出した
・他の種族と協力し巨人を討伐する
・現在は巫女が世界樹の声を聞いてウロビトを導いている
| こうでしたね。 | |
| ウロビトやイクサビトが人間に作られたってのはどっちも同じことを言ってんな。 巨人についてもお互いそんなに違ったことは言ってねえけど。 | |
| ただ巨人を相手にして人間はどうしたのが食い違っている。それが僕たちへの態度の差にも出ている。 | |
| それよりも巨人の冠を人間が持っているというのが気になるな。 | |
| 巨人の冠なんて正直聞いたこともないですが……辺境伯なら知っているのでしょうか? |
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| また行っちゃった……。 | |
| 折角だからゆっくり見て回ろうか! | |
| ……どこからだ、うめき声がする。ちょっと行ってみてもいいか? | |
| あぁ。僕たちも行こう。 |
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| イクサビトの子供……? | |
| なんだよこれ……腕が植物みたいになってるじゃねえか……。 こんなの見たことねえぞ、どうやって治すんだ! | |
| 私もこんなの初めて見ました。酷いですね……。 | |
| 治療が専門のエイゴに分からないなら僕たちにわかるはずがないな。 |
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| なんで、じゃあここにいる子も……? | |
| ……こんなのおかしい。 | |
| だが巨人が倒されなければ被害はこの程度じゃ済まなかったんだろう。 | |
| ふざけてやがる……。世界樹っていうのはそういうもんだったのか? |
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| あれ、巫女がどうしてこんなところに? |
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| なんだこれ、どういう状況なんだ。 |
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| 巫女が症状を和らげました……どういうことです? | |
| なんでワールウィンドは心臓や病気のことを知っているんだ。 |
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| ……なるほど。 | |
| 何だよ、今ので納得できたっていうのかよ。 | |
| でも今はワールウィンドさんを信じるしか、この子たちを助ける方法がないわ。 | |
| じゃあ怪しかろうがなんだろうが、こいつの話を聞くしかねえだろうが。 | |
| ……そうだな。少なくとも巫女の力だけは信じられるからな。 |
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| あれっ。 |
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| は? | |
| そんなに自信があるのか。 | |
| モノノフたちで始末できる問題ならそれでいいと思うが……。 | |
| なぁキバガミさんよ、俺らにも手伝わせてくれないか? |
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| ……じゃあ、お前と戦って俺たちが勝ったら、俺達にも行かせてもらおうか? | |
| ちょっとエイゴさん、そんなこと言っていいんですか。 | |
| このくらい言ってナンボだ。 | |
| ど、どうしたのよエイゴ。怒ってる? |
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| クロム、これでよかったの? | |
| ここまでしなくても良かったが、キバガミが僕たちの力を認めてくれる分にはいいことしかないだろ。 とりあえずマリアはガードタンゴを頼む。 | |
| 私たちは? | |
| あいつが何をするか分からないからな……。 いつも通りで、ナノカはスナイプ、ユーリは聖印をたのむ。 |
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| 列攻撃か。マリアちゃんのガードタンゴの上からとは言え、特別強いわけじゃないな。 | |
| いや、列単位でこの火力だと単体攻撃はかなりマズイかもしれない。 |
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| どうやら属性攻撃も使うみたいね。 | |
| 盲目が奴に入ったから当たらなかったな。 |
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| ……なんですか、あれ。 | |
| 本気モードみたいなやつか?明らかに前よりも強そうだぞ。 | |
| わざわざ1ターン使ってまで……注意したほうが良さそうだ。 |
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| おい何だよこのダメージ量は!ガードタンゴも効いているはずだぞ! | |
| きっと物理攻撃じゃないから軽減できてないんです。それにしても、ですが。 | |
| あいつもダメージを受けたが、そういう技なのか? |
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| 次は溜めか。 | |
| 1ターン使ってまで溜めるということは次は今までの倍以上のパワーでくるぞ。 | |
| まずいわね、なんとかして止めないと。 | |
| ……またキバガミさんがダメージを受けていますね。 |
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| スナイプが決まった、これでとりあえずは大丈夫だ。 | |
| ナイスよナノカ! | |
| キバガミのHPはほとんど残っていない。このまま押しきれそうだ! | |
| (モノノフの長がこの程度のはずはなさそうだが……?) |
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| !?これ耐えたどころか回復までしやがった! | |
| なるほど、モノノフはかなり強靭な肉体を持っているんですね。 これは確かに強いです。 | |
| だがこっちのTPだって尽きていないし、腕封じも毒も入っている。 このままもう一度押すぞ。 |
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| 初めて見たわ、このダメージ。 | |
| 聖印とルーンの輝きにルーンの導き、頭封じでバースト3本消費のアイスコフィンですね。 | |
| ユーリは僕と違って安定した火力が出るのが良いところだな。少し羨ましい。 |
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| キバガミさんのHPがもうないじゃないか。 | |
| ユーリ、きっとキバガミのHPの2割以上持って行ってるぞ。 | |
| 準備に時間がかかっているとはいえ1ターンでこれだけ削れるのは本当にすごいな。 | |
| なんだかキバガミさんが可哀想になってきたわ。 | |
| でも実力の証明としてはこれで十分じゃねえか! |
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| っしゃ! | |
| これであっちも文句は言えないだろう。 |
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| 師……ねえ。クロムたちの師匠って誰だ? | |
| そんなこと言われても。 ……うーん、強いて言うならタルシスで冒険者になるとき一番初めに出会った……。 | |
| 師なんていないものだとぱかり。 |
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| ギルド長か。……まぁ言われてみればそうだな。 |
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| そういえば辺境伯に何も報告していませんね。 | |
| キバガミとの戦いのせいで忘れていた。さっさと報告しよう。 | |
| ……なあ、お前らは巨人の心臓を探しに行くのか? さっきキバガミも言ってたが、俺たちがあの病に罹らないわけじゃないんだぜ。 | |
| だからって僕が引き下がるとでも? 僕が病に罹る可能性なんて、百も承知……だが、嫌なら別に | |
| 妙に煽ってくるのは何なんだよ!キバガミに喧嘩売った俺が行かねえわけねえだろ! | |
| じゃあそれを止めなかった私たちも行かないわけがないな、うん。 | |
| エイゴは心配してくれているんでしょ?大丈夫、全部分かっているから。 |
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| いい統治者だな。自分で自分の首絞めそうだけど。 | |
| 何言ってるのよ、いい統治者で悪いことなんてないわよ。 | |
| 本当に協力的で助かるぜ。 |
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2013.03.26.
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