クロムの戦闘理論
![]() | ……やっぱりこうなるのか。 |
![]() | 巨人の伝承は、本当だったんですね……。 今後私たちは……どうなってしまうのでしょう? |
![]() | 一応まだ猶予はあると思うがな。 ……ただこいつを何とかしないことには、元の生活なんて夢のまた夢だろうよ。 |
![]() | とは言っても俺たちで戦ってどうこうできる相手には到底思えないが……。 |
![]() | 皇子が巨人の呪いに罹っていたことを思うに、あの呪いがどんどん広がっていってもおかしくなさそうだ。 |
![]() | 巫女も今は……皆を助けることはできませんし……。 |
![]() | あれも治していたわけではないでしょう。……所詮は対症療法に過ぎません。 |
![]() | つまり僕たちにできることは、さっさとあの巨人を倒すか…………逃げるか、だ。 |
![]() | お前、 |
![]() | 僕たちからしたら、世界樹が消えて巨人の呪いが蔓延る地に住み続ける理由がわからない。 |
![]() | そんな……!ウロビトやイクサビトが他に行く場所なんて……人間みたいにあるわけないのに…! |
![]() | ……そうだな。でもここに居て巨人に滅ぼされるよりはマシだろう? |
![]() | ……クロムさんのばか!嫌いです!もう里に帰ります! |
![]() | えっ、あの、 |
![]() | あーあ、行っちまったな。お前がそんなことをするとは思わなかったぜ。 |
![]() | いやそういうつもりじゃないんだが……。 |
![]() | いつか帰ってくると思いますけど……とにかく私たちもタルシスへ戻りましょうか。 |
![]() | で、なんでキサラがいないのよ。 |
![]() | クロムが怒らせたから。 |
![]() | ……ついにクロムは女の子を泣かせるような人になってしまったのか。俺は悲しい……。 |
![]() | 言い方が酷いな。 |
![]() | だからその理由をねぇ……。 |
![]() | それよりもあれって巨人?だよな? 俺たちが迷宮に居る時に地震が起きて、慌てて迷宮から出てきたらこんな……。 |
![]() | この街もパニック状態だけど、ウロビトやイクサビトの里はどうかしら。 呪いのこともあるし、パニックどころじゃないかもしれない。 |
![]() | 早急に手を打たないといけないが……その手と言ってもな。 |
![]() | あれを倒す以外にあるとは思えないんだよねーどうするの? |
![]() | ……逃げるしかないんですかね。 |
![]() | ユーリにしては珍しいことを言うわね。でもそれは却下よ。 |
![]() | これはクロムさんの意見です。 |
![]() | 私たちを捨てて逃げると? |
![]() | あーだから、そういうわけじゃないんだって。とにかく一回落ち着くまでみんなも帰ってくれ。また明日来い。 |
![]() | お、おう。 |
![]() | (既に無理な気しかしない。) |
![]() | (いやいやいや……。) |
![]() | (……だな。) |
![]() | 相談だが。 |
![]() | うん、その前にこのボロボロになった気球は何? |
![]() | ……ちょっと力を貸してくれ。 |
![]() | 気球を私の知らない間にこんなボロボロにするのはクロムとナノカくらいしか思い当たらないわ。 |
![]() | ちょ、濡れ衣。 |
![]() | それ、クロムさんですよね。私の予想では……一人で巨人と戦いに行っていた。 |
![]() | ……正解だ。 |
![]() | お前はアホだな。何で誰も同行させなかったんだ? |
![]() | ……こうなった責任は、全部僕にあるからだ。 ローゲルの策略に見事に嵌って、巫女と接触し巨人の心臓も渡してしまって、挙句皇子は止められなかった。 |
![]() | だからって、一人で挑もうなんて考えたの!?ほんと馬鹿ね!なんで私たちを頼らないのよ! |
![]() | (でもマリアさん、さっきクロムさんは相談だって……。) |
![]() | (……あ、そういうこと。) |
![]() | だから頼りにきたんだ。 |
![]() | 私でしたらいつでも力になります。……皆さんも、でしょう? |
![]() | ったく、クロムは人を振り回しすぎなんだよ。もうちょっとこう、仲間の身にもなれよな。 |
![]() | 私に出来ることがあるなら、喜んで手伝うぞ。 |
![]() | ほんとにもう……で、何で無理だったの? |
![]() | 感謝する。これを見てくれ。 |
![]() | ……!これは取り巻きなどではなく、巨人の腕……!? |
![]() | 3体同時に相手するってことだよな。ホロウクイーンの時みたいな感じか。 |
![]() | でもその分ダメージは分散されるはずじゃない? |
![]() | 確かに腕の攻撃は一発でこっちが沈むような火力じゃない。だが攻撃が集中するとさすがにまずい。 だから下手に攻撃を引きつけるわけにもいかないんだ。 |
![]() | かと言って複数人で攻撃を受けたら、毎ターンラインヒールくらいは必須だろ? 俺のTPが持つかもわからねえな。 |
![]() | ラインヒールで足りればいいが……。 |
![]() | とにかく次は5人で行って、できる範囲の情報を集めてきましょう。 |
![]() | 参った……。 |
![]() | まさか一度折った腕が復活するなんて……。 腕のHPも3000は超えていそうだし、何度も腕を倒すのはかなり厳しいぞ。 |
![]() | しかも本体は後列に居る……僕がダメージソースとして動ける時間がほとんど無さそうだ。 |
![]() | 攻撃もなかなか悪質ですね。まず本体ですが、 |
楽園への導き手
・死への誘い:4ターン単体狙われ率上昇(頭技)
・原初の炎:拡散炎属性攻撃(頭技)
・凍土の槍:貫通氷属性攻撃(頭技)
・破滅の雷:全体ランダム2〜5回雷属性攻撃(頭技)
![]() | こうですね。 |
![]() | 本体はルーンマスターか何かなのか?これなら頭でも封じてしまえば何とでもなりそうだが。 |
![]() | こういう属性攻撃だと後列から攻撃してもダメージが減ったりしないのよね。 |
![]() | 逆に本体が前列に出てきたとしても特別な対策がいらないとも言えるが……。 |
![]() | 次、腕です。 |
破滅と絶望の右腕
・防護の構え:本体を庇う
・旋風衝:全体斬属性攻撃
・鋭葉の双刃:全体ランダム2回攻撃
・光の障壁:味方全体の物理・属性防御上昇
妖しき幻惑の左腕
・防護の構え:本体を庇う
・絡み蔦の檻:突攻撃+3点封じ
・魂の掌握:壊攻撃+混乱
・虚ろう領域:こちらに対して物理・属性防御低下
![]() | ちなみにですが、私たちから見て右が左腕、左が右腕ですよ。 |
![]() | こっちは物理攻撃が主体か。こんなのが3体同時に動いたら、回復が間に合わないどころか死ぬぞ。 |
![]() | 本体の攻撃で一番警戒しなければならないのは破滅の雷だ。 他属性の攻撃ももちろんも痛いが、この雷だけは最優先で対策したい。 |
![]() | となると雷の聖印ですか。その場合炎と氷については対策ができませんが、大丈夫なのですか? |
![]() | 第4大地のレア魚は3属性耐性↑↑にAGI+6だったから、それで炎と氷も多少ダメージが減らせそう。 |
![]() | ああ、そうしてくれ。今回もユーリには徹底的にサポートしてもらう形になるかもしれない。 |
![]() | 腕対策は正直私のガードタンゴしかないんだけど……。死への誘いでダメージが集中したら一気に崩れるかもしれないわ。 |
![]() | しかもガードタンゴの効果は前列にしか効かないからな。そこは僕のデコイサインで分散できるといいが。 |
![]() | で、回復は? |
![]() | ……毎ターンパーティヒール……? |
![]() | やけに非現実的な答えだな。 |
![]() | 複数人がダメージを受ける上にそのダメージ量も毎回読めないんだ。これ以外の方法で回復するほうが非現実的だ。 最悪バーストスキルの武息も使って回すしかないだろう。 |
![]() | 攻撃は私とクロムさん、あとユーリでやる感じか。 |
![]() | いやそうなんだが……ちょっとこれは攻撃と防御、回復のウエイトの調整が難しすぎる。 |
![]() | 攻撃と防御回復のウエイト、ですか。 |
![]() | どのくらい攻撃に注力して、どのくらい防御回復に注力するかってことだ。 今まで戦いを例にすると、第4迷宮でのローゲル戦は攻撃防御比は3:1程度、揺籃の守護者のときは9割防御、みたいな感じだ。 |
![]() | お前そんなこと考えてたのか。 |
![]() | じゃあきっと濁翼の熱砂竜のときはかなり攻撃寄りのスキル振りだったわね。 |
![]() | そうなのか?まぁ何せ自分の手数が限られた中で、100あるものを30:70に分けるか50:50か、そういう考え方だ。 基本的に攻撃に寄せるほど戦闘時間は短くなるし、防御に寄せれば長時間粘ることができる。 |
![]() | そうね。なんとなくそれ理解できるわ。 |
![]() | 問題はどちらかを切り捨てることはできないことだ。 攻撃だけに特化したら1ターンで死んだとか、防御だけしてたら敵のHPが減らない、じゃ話にならない。 |
![]() | 言いたいことがわかりました。 このレベルで巨人に勝とうとするなら100の力をどう分けるかという以前に、150:150くらいの力が必要になるのですね。 |
![]() | ほんと頭いいよなユーリは。そういうことだ。 腕を折り本体を前に出しつつ属性攻撃をカバー、強化弱体を解除し回復する……圧倒的にリソースが足りないんだ。 |
![]() | どうしようもないじゃない、それ。 |
![]() | ?? |
![]() | ……これを解決する方法がないわけじゃないんだが……。 |
![]() | とにかく一度試してみればいいんじゃないか? |
![]() | ……じゃあやってみるか? |
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![]() | さっきの例えからいけば、この戦略は攻撃防御比がほぼ100:0だ。 |
![]() | うわなんだこれ。武器2本装備で敵の攻撃に耐えられるのか? |
![]() | だから防御が0なんだ。 |
![]() | ……戦闘が始まったら即座にクロムさんとナノカさんの衝波で腕を切り落とすと。 私はその前に異常状態を掛けてクロムさんのダメージアップに繋げるわけですか。 |
![]() | 本体だけになったらナノカはスコールショット。僕が盲目か麻痺を入れれば全弾命中する。 |
![]() | で、そうなったら俺がスタードロップ……これはマリアちゃんがクイックステップで支援してくれんの? |
![]() | そうなるかしら。私はアタックタンゴとガードタンゴの維持が主ね。 |
![]() | 腕が復活しても個体としては別物だから、異常状態耐性は心配しなくてもいいはずだ。 |
![]() | でもこれ……ちょっと異常状態がすっぽ抜けたりしたら一気に狂うよな? |
![]() | あぁ。勝率はかなり低い。 まだ本体のHPも知らないしダメージ検証すらしてないから、どちらかと言うとただの実験だが……。 |
![]() | やらないよりはマシ、ってことで。 |
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2013.12.06.
v2_2021.04.28.